ご無沙汰しております。。。
更新も2ヶ月途絶えておりました。
仕事でバタバタして、ちょっと休みを家族で過ごしてまた仕事頑張るぞって矢先にCOVID感染・・・
落ち着いたとおもったら、仕事に集中出来ないのなんの。。
計算が苦手になったり、考えようとしても今までより時間がかかったり・・・
状態でしたのでブログはお休みさせていただいてました。(その間あった脳外科総会もほとんど頭に入らず…)
ちょっと仕事がざわついてきそうですが、また論文マラソンの方を頑張っていきたいと思います。
ちょうど、コロナと脳卒中をまとめていたところでしたが、興味深い論文がいくつか出ておりました。
1つ目は、韓国でのCOVID感染者から、ワクチン打った人と、打ってない人を比較したものです。(JAMA. 2022;328(9):887-889.)
ワクチンをきちんと打ったほうが、コロナ感染後の虚血性心疾患、虚血性脳卒中のリスクが抑えられる、という報告です。
また、イギリスからも報告がありましたが(Circulation. 2022;146:892–906)これはコロナ感染後の動脈性血栓イベント(例:心筋梗塞、動脈性脳梗塞)、静脈性血栓イベント(例:肺塞栓症、深部静脈血栓症など)の発症率(ハザード比)を長期的に比較しているものです。
COVID-19診断後1週目では、心筋梗塞が17.2倍、脳梗塞が23.0倍リスクが増加してました。
気になるのは、肺塞栓、深部静脈血栓症は一旦発症リスクが下がったあと再度上昇してなかなか下げ止まらない、AMIも脳梗塞も発症後49週まで調整ハザード比が高かったことでしょうか。
つまり、感染後しばらくはこれら心血管リスクが高い状態が続くということですね…
なかなか怖い病気であることを改めて思い知らされます。
なお、過去に血栓塞栓症イベントがあったひとは再度起こりやすいとのことで、脳梗塞や心筋梗塞後の方は注意してくださいね。
なお、このイギリスの報告はワクチン接種前の方々を対象にしております。
最初のJAMAの報告をみるに、ワクチン接種後はおそらくもっと減っているのでしょう。
最後にNature medicineからです(今回は論文が全部Volumeたっぷりです。。。)
こちらは、感染から1年経っても脳卒中は起こりやすいという論文です。(Nature medicine)
オープンアクセスなので誰でもみることはできますが、自分にとっては結構衝撃的でした。
12ヶ月後のコントロール群と比較して、脳血管障害をはじめ、感覚障害やメンタルヘルス、アルツハイマーなどの影響のリスクが高いということがわかりました。
つまり、コロナ感染の影響は1年経っても続くということです。
コロナ感染自体が重症化していたほうが脳卒中のリスクが高いですし、軽症であっても、1年後の脳卒中の発症率が高かったということです。
なかなか自分でもショックでした…
救いは、2020年から2021年1月までのデータであること(ワクチンがほぼ普及していない状態)ですかね。これもDiscussionで指摘されております。
もう一個の救いは、本邦はたしかCOVID感染後の脳梗塞が少ないという中間報告が出たような出てないようなそろそろでるような…(もし文献ございましたらご教授ください)
こうなってしまっては、脳卒中にならないよう、日々の健康管理に気をつけるしかないですね!
なかなか復帰から重たい論文たくさんでしたので、不足点などあればリプライなどでご教授いただければ幸いです。