脳卒中の肝は、病院前救護にあると思ってます。
突然、あなたの周りの方の手足が動かなくなったら!?
ちょっと様子見ます?すぐ救急車呼びます??
そのちょっと、命取りになりますよ。
しかし、様子をみてしまう方、非常に多いんです。。。
1日経って救急車を呼ぶ方もいるのです。
そうなっては、治療の選択肢が狭まってしまいます。
では、どういうときに救急車を呼びますか?
また、これは言い換えると、病棟の患者さんが急変したときにどう観察するか、にも繋がります。
この文献(http://dx.doi.org/10.1136/neurintsurg-2019-014890)は、院内脳卒中プロトコルができる前後でどれくらい治療遂行までの時間がかわるか、という研究ですが、今回注目してほしいのはLSW to Code callという部分です。Pre-implementationは136例、Postは69例ですが、いずれも発症からCallまで平均約3時間かかっており、プロトコルができてもなかなかこの時間が変わらないことは、課題と言えます。(単施設という問題もありますが、あまりここの部分を深く調べた文献も少ないんです…)
これって、つまりこの病院は脳卒中になってから3時間経ってやっと動いているということなんです!
また、 他の文献でも(Stroke. 2014;45:231–238 https://doi.org/10.1161/STROKEAHA.113.003617)、院内発症の脳梗塞はt-PAの使用率が低く、予後も悪いことがわかっています(ただし、これはそもそも違う疾患で入院していたのだから当然なのかもしれません)
実際に、医療従事者の中に、様子みてしまった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
脳卒中は時間との勝負です。Time is Brain、なんてよく言います。
脳卒中に携わる急性期病院は、基本的に脳卒中患者さんが搬送されてからの時間を短くするためのプロトコルを持って、ある意味待ち構えてます。
でもこれって脳卒中なの?どうみるの??
救急隊の方はどのように脳卒中疑いと判断するの?
という内容について、次回説明したいと思います。
残り論文 721/723!!!