…タイトルから私には耳の痛い話です。
脳卒中ガイドライン2021には以下のように書いてあります。
1．高血圧症に対して降圧療法が勧められる（推奨度A エビデンスレベル 高）。
2．大量飲酒者への節酒および喫煙者への禁煙の指導は妥当である（推奨度B エビデンスレベル 中）
3．血栓塞栓症予防において、脳出血発症リスクを考慮した抗血栓薬選択は妥当である（推奨 度B エビデンスレベル 高）。
今回はお酒についての論文ですね。ちょっと古いですがJAMA. 2003;289(5):579-588この論文がこのガイドラインの元になっております。
1966-2002年までのオンラインでの論文から、アルコールと脳卒中の関係を調べました。
まとめたものが上の表になります。35本のコホートあるいはケースシリーズが抽出されました。
脳梗塞は非線形ですが、180gも飲む人は他にも色々あるでしょということで、まずは飲酒は脳出血のリスクをあげる、という考え方でよいと思います。
また、これらを分析したところ
1日12g以下のアルコール摂取は脳卒中のリスクは低い
1日60g以上のアルコール摂取または1日5杯以上の摂取は脳卒中のリスクが一層上がる
ことが、分かりました。
↑はガイドラインに載っていた文献ですが、2016年にも BMC Medicine (2016) 14:178によって脳出血・くも膜下出血をそれぞれ起こしやすいとされてます。
1日2杯（20g）以上で脳出血のリスクがあがり、4杯（40g）だと脳出血・くも膜下出血共に上がります。
…ところで、1日12g-20gのお酒ってどれくらいなんでしょう？？
生中一本でおしまいですね…
スト○は350缶で＞20gです。日本酒も1合でオーバーです。
・・・でも1日40g以下だなんだって、飲まない日あればいいの？？
というのにお答えするのがStroke. 2004;35(5):1124-9.この文献でしょうか。日本の論文です。
アルコール1週間に300g以上で脳出血のリスクはあがります。（逆に1週間に1－149gだと脳梗塞のリスクが下がる！？）
ちなみに、脳梗塞のリスクは微妙とされていますが、心房細動のリスクは飲酒であがります（J Am Coll Cardiol. 2014 Jul 22;64(3):281-9.）
いずれにせよ日頃の飲み過ぎは注意ということですね…
私も気をつけます。
